MACD戦略は機能するか:パラメータひとつが符号を変える

執筆 chwoo · 仮想通貨トレード7年。2026年春から自動売買ボットを運用。 · · 更新

MACDは2本の指数移動平均の差を描き、それをさらに平滑したシグナル線と並べて見る指標です。古典的な戦略は、 MACD線がシグナル線を上抜けたらロング、下抜けたら反転するというものです。既定値の12/26/9は世界中ほとんど すべてのチャートに載っています。

そのルールをBTC 1時間足でパラメータ空間全体にわたって走らせました。先に言うべき結果は、これが機能するか どうかではありません。ほとんどの人が一度も触らない数字に、答えがどれほど激しく左右されるか です。

シグナル期間だけで符号が変わる

12/26を固定し、シグナルの平滑だけを変えました。シグナル線の上抜けでロング、逆のクロスで決済して反転、 現実的なコスト(片道の手数料0.06%とスリッページ0.02%)、レバレッジ1倍、建玉比率90%、2026年9月21日までの データです。

シグナル期間取引数勝率リターン最大DDPF
53,35229.7%-94.6%97.1%0.92
72,88831.3%-81.0%94.1%0.96
9(既定値)2,57332.4%-70.2%92.3%0.97
122,29233.1%-27.4%85.1%0.99
162,05333.9%+54.5%79.3%1.01
パラメータ1つ、値5つ。リターンが149ポイント移動し、12と16のあいだで符号が変わります。

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これらの行のあいだで、市場もエントリーの論理も変わっていません。平滑定数ひとつが5から16へ動き、口座は -94.6%から+54.5% になりました。

次に正直な列であるプロフィットファクターを見てください。0.92から 1.01 まで動きます。利益の出た行は、既定値が隠していた良い戦略ではなく、負けが少しましな戦略が損益分岐をかろう じて越えたものです。プロフィットファクター1.01は、総利益が総損失を1%上回るという意味で、手数料の前提を 少し変えれば消えます。

結果を149ポイント動かせるパラメータは設定値ではなく、戦略そのものです。この表がそう言うからという理由で 16を選ぶなら、このデータのこの通貨のこの期間にパラメータを合わせたことになります。過剰最適化のガイドが 測っているのが、まさにその仕組みです。

fastとslowも同じことを言う

シグナルを9に固定し、今度は移動平均2本を動かしました。

fast \ slow21263452
53,852回 · -97.6%3,732回 · -97.4%3,566回 · -96.0%3,381回 · -95.6%
83,200回 · -89.8%3,057回 · -86.0%2,869回 · -86.0%2,688回 · -80.2%
122,732回 · -75.9%2,573回 · -70.2%2,439回 · -60.9%2,238回 · -30.1%
192,311回 · -29.8%2,182回 · -12.8%2,012回 · +39.0%1,835回 · +111.4%
取引数 · リターン。格子は斜面です。遅い設定へ一歩進むごとに取引が減り、損も減ります。

利益の出る島が別にあるのではなく、斜面があるだけです。 設定が遅くなるほど格子は単調に良くなります。 最も速い隅の-97.6%から最も遅い隅の+111.4%まで進み、取引数はまったく同じ対角線に沿って3,852回から1,835回 へ減ります。

その形が手がかりです。パラメータの格子が取引を減らすことと歩調を合わせて良くなるなら、あなたが測って いるのはシグナルの質ではなく、おおむね取引コストです。最も速いマスは往復およそ0.16%を3,852回払っており、 コストだけで口座の約6.2倍です。

時間足が仕事の大半をする

既定の12/26/9のまま、時間足を4つに変えました。

時間足取引数勝率リターン最大DDPF
15分10,68026.3%-100.0%100.0%0.72
1時間2,57332.4%-70.2%92.3%0.97
4時間63336.3%+184.6%71.8%1.08
1日10037.0%+932.8%48.3%1.53
同じルール、同じ通貨。15分は口座を全部失い、日足は100取引で+932.8%を出します。

このスイープ全体で最大の効果です。まったく同じルールが 15分足では口座の100%を失い、日足では+932.8%を出します。 勝率は26.3%から37.0%へとほとんど動きません。動くのは取引数で、10,680回から100回へ変わります。

日足の行を答えにする前に、それが何の上に立っているかを見てください。全期間で 取引100回 は小さな標本で、標本サイズのガイドによれば、口座を破壊する戦略でさえ100取引の標本では19.3%が利益に見え ました。プロフィットファクター1.53はこのページで最も心強い数字であり、同時に最も根拠の薄い数字です。

MACDが実際に教えてくれること

MACDは平滑されたモメンタムの計測値です。移動平均から作られているので完全に後追いです。クロスはそれを 生んだ値動きの後に起きます。だから速い設定は、自分のコストを賄うには遅すぎるシグナルをあれほど大量に 作るのです。

  • 遅いほうが良いのではなく、安いのです。 上の格子のすべての改善が取引数の減少とともに来ました。どのMACDの結果も取引数の隣に置いて読んでください。
  • ヒストグラムは同じ情報です。 2本の線の距離なので、ヒストグラム戦略は同じパラメータ感度をそのまま受け継ぎます。
  • ダイバージェンスは別の主張です。 クロスのルールではなく、今回のスイープが検証したものでもありません。機械的に定義するのもずっと難しく、 それ自体が警告です。
  • トレンドフィルターがよくある処方です。 RSIのガイドで200 EMAフィルターを足すとどうなるかを実測しましたが、そこでは結果が良くなるどころか悪く なりました。仮定せずに検証してください。

正直に検証する方法

MACDを使いたいなら、上の格子はパラメータを結果を見る 前に 選べという論拠です。慣例だからという理由で12/26/9を選び、全期間で走らせ、返ってきた値を読む。代わりの 道は、16マスを眺めて+111.4%をつまみ、優位性を見つけたのかノイズの一番良い隅を見つけたのか判断する手立て のないまま残ることです。

このサイトの期間表が安上がりな確認手段です。ある窓でリターンを稼ぎ、別の窓で返してしまう設定は、自分が どちらだったかをすでに語っています。

3つの期間と時間足を明示しないMACDのバックテストには注意してください。このデータでは、その選択だけで ルールはまったく変わらないまま、結果が-100.0%と+932.8%のあいだを動きました。それらを欠いたMACDのリターン は、確かめられる主張ではありません。

参考資料

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